COLUMN
2019.07.04 更新
クンツァイトの紫がかったピンクカラーは「ライラックピンク」と称され、とても上品で美しい宝石です。
アニメ、美少女戦士セーラームーンの中でキャラクター名として使用されていたので、その世代の女性は覚えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回はそのクンツァイトの持つ不思議な色が変わる性質やその仲間についてご紹介します。
目次
クンツァイトにはいくつか呼び名があります。
和名:リチア輝石(りちあきせき)もしくはリシア輝石では、ピンとこない方が多いかもしれません。
どちらかというと「スポデューメン」という名称のほうが一般的のようです。
それではクンツァイトがどんな宝石なのかもっと詳しく見ていきましょう。
クンツァイトは、「スポデューメン」と呼ばれる珪酸塩鉱物に属する輝石の一種です。
スポデューメンの名は、結晶を加熱すると砕けて灰色に変化することから、「燃えて灰になる」を意味する「spodumenos」が語源になっています。
このスポデューメンですが、大きく分けて3つの色が存在しています。
イエローカラーのものを「トリフェーン」、グリーンカラーのものは「ヒデナイト」。
そして、ピンクやパープルカラーのものを「クンツァイト」と呼んでいます。
しかし、これらのカラフルなスポデューメンが発見されたのは、たった数十年前なのです。
それまでは、灰色がかった白いものしか認知されていなかったため、宝石扱いをされていませんでした。
しかし、1877年にブラジルで宝石質のイエローのスポデューメンが発見され、 1879年にはアメリカのノースカロライナ州でグリーンのスポデューメンが発見されました。
そして、今回の主役クンツァイトが世に知られたのは、1902年。
アメリカのカリフォルニア州で、綺麗なピンク色のスポデューメン=クンツァイトが発見されたのでした。
クンツァイトは「マンガン」という金属元素がどれだけ含まれるかで、ピンクカラーの濃淡に違いが出てきます。
それ故に、産地によって色味が変わるという特徴があります。
ちなみにこのクンツァイトですが、1902年に発見された宝石なのでルビーなどの宝石と比べると、宝石としての歴史はまだあまり長くはありません。
それでありながらも、クンツァイトは一躍、時の人ならぬ時の宝石となった背景があります。
なんと、クンツァイトの由来は、ジュエリーにおけるハイブランドの象徴ティファニーの副社長であった「ジョージ・F・クンツ」氏の名前から命名されました。
もしもクンツ氏がクンツァイトの鑑別に関わることがなければ、きっとこの宝石は別の名前で呼ばれていたことでしょう。
クンツァイトはブラジルやマダガスカルなど南米を中心に産出されます。
それ以外ではアフガニスタンやアメリカ、オーストラリアでも産出されるので、産出地域はわりと広範囲と言えます。
また、クンツァイトの特徴の一つに大きな原石が産出されやすいというものがあります。
これだけ聞くと「とても大きなジュエリーに加工できるのでは?」と思いますよね。
でも、クンツァイトは「劈開性(へきかいせい)」といって一定方向に割れやすい性質を持ち合わせています。
そのため、大きなジュエリーへの加工が必ずしもできるとは限らないのです。
クンツァイトの硬度は6.5~7.5と硬度自体はわりと高めですが、前述でご紹介したように劈開性があるため衝撃には注意が必要です。
劈開には割れやすい一定の角度がありますので、運悪くその方向にぶつけないように、日頃から取り扱いには気をつけましょう。
心配な場合は、リングよりもイヤリングやネックレスの方が、ぶつける恐れがないのでお薦めです。
また、場合によっては経年により色みが薄くなることがあるのですが、その原因は紫外線にあります。
真夏の直射日光に注意し、保管の際はジュエリーボックスなどに収めるようにしましょう。
スポデューメンにはギリシャ語で「燃えて、灰になる」という意味合いを持っています。
だからこそクンツァイトの宝石言葉には「無条件の愛」「慈愛」といった、自分よりも何よりも大切なものを優先するという意味があるのかもしれません。
そんな出会いは一生のうちに数えるほどしかありません。
もしかするとクンツァイトは大切な存在と出会うためのお守りになってくれるのかもしれませんね。
そのほかにも「感情の起伏を落ち着かせる」「安らぎを与える」という優しい意味合いも持っているのだそうです。
失恋、ペットロスなどの悲しみに優しく寄り添ってくれるパワーストーンでもあるため、辛い悲しみから中々抜け出せない方が持つ宝石としても知られています。
ピンクカラーは女性の魅力を引き出す魔法のカラーです。
もちろんクンツァイトもその魔法が使える素敵な宝石なのです。
クンツァイトをあしらった指輪やピアス、ネックレスをコーデに取り入れるとどのような印象になるかご紹介します。
例えばピンクのネイルはオールシーズン人気が高く、特にうすいピンクカラーのネイルはオフィスでもOKとされていることも多いものです。
なぜかというと、自爪の色と同じピンクカラーは自然に馴染むほか、上品に見せてくれる効果が期待できます。
クンツァイトにはうすいピンクカラーから、ほんのり明るいフラワーピンクまで女性らしさをUPさせてくれるカラーバリエーションがあります。
指輪やブレスレットなどのアクセサリーとして身につければ手先を上品に見せてくれること間違いなしです。
例えば、クンツァイトオンリーのデザインであればカジュアルな雰囲気やオフィスでも身につけやすくなります。
ダイヤやほかのカラーストーンと組み合わせたデザインのジュエリーにすれば、宝石同士の輝きが引き立つのでパーティーなど華やかな場におすすめです。
そしてネイルだけでなく、女性のメイクにピンクカラーは外せません。
例えば春先にはピンクのアイシャドウを中心に展開されるほか、イガリピンクなど流行の最先端にも取り入れられるほどです。
このようにピンクカラーが顔に入ることでパッと明るく見える効果が期待できます。
若々しさや華やかさUPにも繋がるので、クンツァイトのピアスやイヤリングは女性におすすめのジュエリーなのです。
とはいえナチュラルな原石のままのピアスにするか、カットされたジュエリーデザインのピアスにするかで印象も変わってきます。
どういったシチュエーションで身につけるかを想像して、いろいろなデザインを楽しんでみてくださいね。
ピンクカラーのアイテムがトップにあると、華やかに見えるのはストールやトップスでも同じことが言えます。
ということはクンツァイトのネックレスもまさに女性らしさをUPさせてくれる強い味方なのです。
そのうえ、クンツァイトは比較的大きめの原石が産出されやすいので、探せば大粒のクンツァイトがあしらわれたネックレスも夢ではありません。
クンツァイトは退色する性質があるため、小粒すぎると退色して透明になったときに印象がガラッと変わってしまいます。
好みにもよりますがネックレスに関してはできるだけ色が濃く、サイズの大きいものの方がジュエリーとして長く楽しむことができるとも言えます。
しかしながら、あえてその退色するまでの過程を楽しみたいという方もいるはず。
どのようにクンツァイトのジュエリーを楽しむかは貴方次第なのです。
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