COLUMN
2020.10.01 更新
皆さんご存知のように研磨される前の宝石は石ころのような見た目で「原石」と呼ばれています。
この原石ですが、じつは機械を使わなくとも自分の手で磨くことができるのです。
今回はきらりと輝く宝石を生み出す「原石磨き体験」についてご紹介します。
手作業で磨く原石は概ね硬度:5までのものがおすすめですが、なかには硬度:7でも磨けるものもあります。
初心者の方でも挑戦しやすい原石をいくつかピックアップしたので、原石を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
原石はパワーストーンショップでも手に入れることができますし、インターネットでは原石磨きキットなども販売されています。
キットだと必要な道具も全て揃っていますし、水晶のような硬度:7の宝石でもある程度磨きやすい状態にされたものが同梱されています。
最初はくもっているような状態でも、水晶は磨けば磨くほど透明度も増していきます。
そのため思わず時間が経つことも忘れて磨いてしまう…なんてこともあるかもしれません。
琥珀(アンバー)は正確には鉱物ではなく、木の樹液が結晶化・化石化したものなのでこちらは水晶よりももっと楽に磨くことができます。
琥珀の場合、最初は石ころにしか見えませんが磨いていくことで次第に飴のような艶感が出てきます。
こういった原石ならではの違いを楽しむのも醍醐味のひとつといえるでしょう。
ちなみにキットでもよく目にする「コパール(別名:コパル、コーパル)」と呼ばれているものは、琥珀よりも結晶化・化石化した年月が浅いものです。
そのほかではフローライトも硬度:4と磨きやすくおすすめです。
磨いていると次第に美しいグラデーションや模様が浮かび上がることから人気の高い原石です。
また、鉱物の特性上、選んだ原石によってはラピュタに出てくる八面体の飛行石のように仕上げることもできます。
フローライトというとグリーンやパープルカラーが多いですが、あえてブルーやイエローなどちょっとレアなカラーを探してみるのも楽しいですね。
このように硬度がさほど高くなければ大体の原石は磨くことができます。
そのため、ジュエリーにおいて人気の高いオパールも硬度:5.5と初心者の方がチャレンジしやすい原石です。
とくにオパールは化石のような表面を磨いているうちに、美しい遊色が見えはじめた瞬間が一番ワクワクすることでしょう。
そして、磨きやすい原石は今回ご紹介した種類以外にもたくさんあります。
どんな原石にするか、また磨き上げて宝石にしたものをどうデザインするか楽しみながら選んでみてくださいね。
原石を磨く手順は大きく分けて3つですが、基本はただひたすら磨くだけです。
また、広々としたスペースも必要ないので気軽にはじめることができます。
思い立った日にお気に入りのBGMやDVDを流しながらゆったりと楽しく磨きましょう。
原石の表面が白っぽく見える場合は、金属やすりor耐水サンドペーパー300番以下を使って磨くところからはじめましょう。
どちらの道具も大型ホームセンターなどで購入できます。
金属やすりを使う場合は原石をしっかり持って、やすりの方を手前から奥へと一定の方向へまっすぐ動かして磨きます。
サンドペーパーを使う場合は原石を消しゴムのように動かす方が磨きやすいので、ガムテープなどで机にサンドペーパーを固定しておきましょう。
どちらの道具でもある程度白っぽい表面がなくなったら次の工程に移ります。
まだこの段階では表面が粗いので、耐水サンドペーパー400番→600番→800番と次第に番手を上げて磨きます。
※金属やすりを使用した場合は800番からはじめても大丈夫です。
磨いている途中で研磨した際の粉でサンドペーパーが目詰まりすることもありますが、水晶やフローライトのように水に耐性がある原石なら表面を少し濡らしてあげると磨きやすくなるので試してみてくださいね。
また、磨いている途中で小傷などが気になった場合は、ひとつ前の番手のサンドペーパーで再度磨き直すと後の作業が楽になります。
最初の段階よりも宝石らしさが次第に出てきたら、耐水サンドペーパー1000番→1200番→1500番~と、さらに番手を上げて磨きます。
少なくとも1000番まで磨けば原石によってはある程度の艶感も出てくるので、ここから更に磨くかは原石の状態と貴方の好みです。
そして磨き終わった後は柔らかい布でやさしく拭いて、表面についている余分な粉を落としましょう。
もし、水に耐性がある原石なら水洗いしてから布で拭いてあげても大丈夫です。
磨き上げた原石はラフな形をそのまま活かしたジュエリーへと加工することもできます。
時間をかけて仕上げただけに、より愛着のある世界でたった一つのジュエリーが出来上がります。
また、サイズがやや大きい場合はケースに入れて飾ったり、テラリウムのワンポイントとして楽しむこともできます。
アイディア次第でいろいろな楽しみ方ができる原石磨き、貴方も自分の手できらりと輝く宝石を生み出してみませんか?
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