トルマリン＊静電気を帯びる不思議な宝石

和名はその名も「電気石」

トルマリンの結晶は柱状の形をしています。
この両端がプラスとマイナスの性質を持っていて、加熱したり圧力をかけることにより静電気を帯びます。
これは水晶にも見られる性質ですが、トルマリンの方がより強い性質を持つために、和名で「電気石」と呼ばれるようになりました。

このことを発見したのは、アムステルダムの宝石商人といわれています。
当時のアムステルダムの宝石商人は、日向に置いてあったトルマリンが、周囲の埃を吸い付けているのを発見しました。
トルマリンが太陽の熱によって帯電し、微弱な静電気によって埃が引き寄せられたのです。
この特徴に気がついた商人たちは、この宝石を「アッシェントレッカー（灰を吸いつける）」と呼び、刻みタバコの灰を集めるのに使ったと伝えられています。

また、トルマリンに多く含まれるナトリウム、マグネシウム、アルミニウムは、金属をイオン化する特性が強いため、マイナスイオンが発生するといわれています。

この性質を活用して、ネックレスや入浴剤など、近年様々な健康商品が作られていますが、健康的な効果に関しては研究中で、現段階ではまだ解明されていません。
しかし、古くからさまざまな民族の間で、儀式や病気の治療に用いられてきたことは事実です。

ない色はない！？豊富なカラーバリエーション

トルマリンは、現在５分類１３種類に分けられており、ない色はないと言われるほど豊富なカラーバリエーションが魅力です。

透明、白、黒、青、水色、紫、ピンク、赤、オレンジ、黄、緑 etc
同じカラーであっても、微妙なニュアンスの違いや個性があるので、同じ色味と出会うことは難しい、一期一会の宝石と言えるでしょう。
ビビッとくるカラーと出会えたら、ぜひそのご縁を大切にしてくださいね。

ピンクトルマリンやグリーントルマリンが最も一般的に流通しているほか、希少価値の高いカラーのトルマリンには、それぞれ独自の呼称があります。

PASSIONイヤリング01　ピンクトルマリン

Passion x Pink Lake Collectionより、フープが2つ連なった形のイヤリング。
一雫の情熱が波紋を広げていく様子をイメージして[...]

パライバトルマリン

最も評価の高いトルマリンで、ネオンのように明るい緑みの水色。
高品質のパライバ産トルマリンの価格は、他のトルマリンをはるかに上回ります。
その希少性により小振りなものが多く、１カラットを超える大きさのパライバ産トルマリンを見ることは滅多にありません。
ですが、パライバで重視されるのはサイズよりも、その鮮烈な色です。
小粒でもピリッと目立つ、近年大人気のカラーです。

ルベライトトルマリン

ピンクと赤の中間のような赤紫の色味。
鮮やかなバラやラズベリーのような濃いピンクは、若い方から年を重ねた女性にも似合い、人気の色味です。

インディゴライト

青緑のブルートルマリン。
ブルーデニムのようなインディゴカラー。

ちょっと変わったトルマリン

パーティーカラートルマリン

ひとつの石の中に複数の色が入ったものを、パーティカラーと呼びます。
パーティカラーの中には、２色の『バイカラー』、３色の『トリカラー』の他、結晶を輪切りにした場合も切り株のように同心円状に色が変わっているものもあります。
特に、スイカを輪切りにしたような緑と赤の組み合わせは、ウォーターメロントルマリンと呼ばれて親しまれています。

トルマリンキャッツアイ

トルマリンの中には、猫の目のように中心に白い光の線が入る、キャッツアイ効果をみせるものもあります。

トルマリンの産地

ブラジル、アメリカ（カリフォルニア州、メーン州）、ケニア、タンザニア、ジンバブエ、マダガスカル、モザンビークetc

もっとも産出量が多いとされるブラジルのミナス・ジェライス州のトルマリンは、色彩が豊かなことで知られています。
パライバトルマリンは、ブラジルのパライバ州で産出されたことからこの名で呼ばれていますが、最近はモザンビーク産のものも増えて来ました。

トルマリンのお手入れ

硬度：7.0～7.5（傷がつきにくい）

ジュエリーなどは安心して身につけられる硬度です。
トルマリンは一般的に光に対して安定しており、化学薬品にさらされても影響を受けませんが、照射処理による色改良を施されているトルマリンは、熱や明るい光に長時間さらされると褪せることがあります。

お手入れは、中性洗剤を溶いたぬるま湯に５分ほど浸してから、柔らかいブラシで汚れを浮かせて洗い、その後水洗いします。

トルマリンのパワーストーンとしての効果

トルマリンは帯電性を持つことからか、古くから様々な民族で病気の治療に用いられてきました。
それらの伝承から、トルマリンは健康運を高めてくれると言われています。

また、ネイティブアメリカンは、大自然の強力なエネルギーをもたらす石として崇め、大切な儀式の際には『聖なるひらめきを与える石』として用いたと伝えられています。
心身ともにエネルギーを高めバランスを保つ効果があると言われています。

色により異なった意味を持ちます

ピンクトルマリン

赤～ピンク色のトルマリンは、恋愛運を上げてくれる石として人気です。

PASSION イヤリング06 ピンクトルマリン

Passion x Pink Lake Collectionより、緻密な職人技で石留めされた、ジオメトリックなピアス。直線で構築されたこのピアスは[...]

イエロー/オレンジトルマリン

イエロー系のトルマリンは、活力と生命力をもたらすとされています。

グリーントルマリン

グリーン系のトルマリンは、心をリラックスさせてくれるヒーリングストーンとして人気があります。

ブルートルマリン

ブルー系のトルマリンは、物事を冷静に捉えられるようになると言われています。

ブラックトルマリン

ブラックのトルマリンは、古来から祈祷などに用いられてきました。
魔除け・厄除けのお守りとして用いられるパワーストーンです。

「虹の色が移った」ロマンチックな伝説

古代エジプトでは、トルマリンに関するロマンチックな伝承が残されています。
トルマリンは、地球の中心から虹の架け橋を渡って、太陽に向かって旅をしてきた。
その旅の途中で虹の色が移ったために、こんなにも多彩なカラーになったのだと考えていました。
そして、その宇宙での旅によって知恵を授けてくれると信じられていたようです。

しかし、逆にその多彩さから様々な他の石と混同されてきた歴史があり、トルマリンというくくりでの言い伝えなどが少ない現状があります。
しかし、トルマリンに魅了された人は多く、中国の西太后などは、財力を駆使して1トン近くも手に入れていたというエピソードもあります。

トルマリンはプレゼントにもオススメ！

誕生日プレゼントとして

トルマリンは、10月の誕生石のひとつ。
10月生まれの方への誕生日プレゼントにピッタリです。

健康を願って

トルマリンは健康運を高める石として有名で、また様々な健康グッズも販売されています。（※効果はまだ解明されていません）
元気に頑張ってほしい方へのプレゼントにおすすめです。

結婚8周年のお祝いに

トルマリンは、結婚8周年の記念宝石とされています。
結婚記念日のプレゼントにいかがでしょうか。